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東方神起茶屋

東方神起(二人)に対する歪んだ愛と腐女子のオタク心を片隅で叫ぶブログ 同時に平和について真剣に訴えていきます。歴史修正主義、差別主義、絶対NO! 
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※ユノが人魚姫だったら…という設定の妄想小説です。苦手な方は読まないで下さい。
 
これまでの話はこちら 1   2   3   4
 
人魚姫(別バージョン) 5(最終回)
 
実は王子を助けた修道女の女性は、隣の国の王女だったのです。
王女は勉強の為に、小さい頃は修道院で生活をしており、お城に帰った今でもお世話になった修道院に時々手伝いに行くのです。
王子を助けたのは、その時だったのです。
隣の国の王女も助けた男性をずっと想っていたのでした。
二人は両想いだったのです。
あっという間に結婚話がまとまり、その話がお城中に伝わりました。
チャンミンも同じ護衛の騎士からその話を聞きました。
聞いた途端、チャンミンは走り出していました。
喜びに溢れかえる王子達の元に駆けつけると、チャンミンは王子に掴みかかりました。
「ふざけるな!結婚だと!絶対に止めろ!」
「…チャ、チャンミン…?」
王子はびっくりして呆然としました。傍にいる警護の者と王様も、何が起きているかすぐに理解できませんでした。
「何をしようとしているのか分かっているのか!」
ユノが海の泡になってしまうんだぞ!
「絶対、結婚なんかさせないぞ!」
「何をしている!護衛の者!こやつを捕えろ!」
王様の叫びで我に返った護衛達が、チャンミンを王子から引き離して取り押さえました。
「チャンミンどうしたんだ!気でも違ったのか!」
「離せ!」
「地下牢に閉じ込めておけ!」
「頼む!結婚しないでくれ!なんでもするから!王子!頼む!」
王様の言葉には逆らえず、護衛達はチャンミンを引きずって地下牢に連れて行きました。
牢屋に閉じ込められたチャンミンは叫び続けましたが、その悲しい叫びは誰の耳にも届きませんでした。
「あいつはこの婚礼を邪魔するどこかの国のスパイに違いない!」
王様はカンカンになって怒り、チャンミンをスパイと決めつけていました。
王子は「チャンミンはそんな人ではありません。きっと何か理由があるのです」
と、言ったのですが、まったく耳を貸しませんでした。
婚礼の式をあげれば、父の気持ちも落ち着いてくれるだろう、と王子はすぐに結婚式をあげる事に決めてしまったのです。
 
結婚式の前日、チャンミンは牢屋の中で「どうすればいいのだろう?」とそればかり考えていました。
すると、扉のところで音がしたので顔をあげました。
牢屋の扉は上に小さな窓があるだけですが、そこからユノが覗いていたのです。
チャンミンは急いで扉に駆け寄りました。
「ユノ!」
小さな窓の鉄格子の隙間から、チャンミンは手を出してユノの頬に触れました。
牢番が近くにいる為に、ユノの声はでませんでしたが、その唇が
チャンミン…
と、動いたのだけは分かりました。
ユノは瞳を潤ませていましたが、寂しげに微笑みました。チャンミンの胸がズキズキと痛みます。
王子が結婚すると聞いてどんなにショックだったろう…
明日の朝、海の泡になってしまうのが、どんなに怖いだろう…
なのに、僕はこんなところに閉じこめられて、ユノに何もしてあげられないなんて…!
「…ユノ…絶対に助ける…海の泡になんかさせないから…」
チャンミンの言葉にユノは首を横に振りました。
…もう、いいんだ…チャンミン…
ユノは頬に添えられたチャンミンの手を握り、そっと唇を押し当てました。
ユノは王子に恋していない事に気づいたのです。自分が一目惚れしたのは音楽だったのでした。
でも、薬の呪いの為に、自分は海の泡になってしまう…
でも、ユノは後悔していませんでした。
チャンミンに会えたからです。
自分が一番好きなのはチャンミンなのだと、ユノははっきりと分かりました。
足を得なければチャンミンに会えませんでした。
チャンミンと過ごした時間は短かったけれど、命と引き換えにしてもいいくらい楽しくて幸せな時間でした。
自分の想いを伝えたかったけれど、それも叶いません。でも…
…幸せだったから…もう、いいんだ…
そう思っていました。
「もう、交代の時間だ。見つかるとヤバイからいくぞ」
牢番がユノの腕を引っ張り、二人は離れてしまいました。
「ユノ!絶対に助けるから!」
牢番に引っ張られながら、ユノは最後までチャンミンを見つめていました。
 
王子と王女の結婚式は盛大に執り行われました。
一晩中、宴会が催され、お城の中はずっと賑やかでした。
もうすぐ、夜が明けようとしていた頃…
突然、仮面をかぶった騎士が王子の前に出てきて、王子に剣の勝負を挑んだのです。
初めは、結婚式の為に招かれていた大道芸人の余興だろう、と皆は思っていました。
が、王子に向けられる剣さばきと王子の必死の応戦の様子から、尋常でない雰囲気を感じ取りました。
「え?どういう事?」
「お芝居じゃないの?」
皆がざわめき始めた時、隙を見つけた王子の剣が、仮面の男の胸に刺さりました。
血を吹きだして倒れる男の様子に、周りから悲鳴があがります。
「王子!どうしたんです!」
「こ、こいつの剣は本物だ…剣さばきも本気で、私の命を狙っているようだったので…つい…」
駆けつけた警護の騎士が男の仮面を取ると…その男はチャンミンでした。
「チャンミン!」
驚いたユノが倒れたチャンミンの元に駆け寄って抱きかかえます。
驚きのあまり、ユノは自分の声が出ている事に気づきませんでした。
「チャンミン…しっかりして…!」
チャンミンの胸から赤い血が流れているのを見て、ユノはぞっとしました。
必死に手で押さえてあふれ出る血を止めようとするのですが、血は止まることなく指の間を流れていきます。
ユノは怖くて、胸が苦しくて、涙がこみ上げてきました。
「…ユノ…」
「…チャンミン…どうして…」
「…よかった…声が…これで…海の泡に…ならずにすむ…」
チャンミンは分かっていました。
『永遠の愛を与える』とは、命を捧げる事なのだと…
「…いやだ…チャンミン…」
「…ユノ…愛してる…」
「僕も…!チャンミン…僕も…チャンミンが一番好き…」
ユノの瞳からこぼれた涙が、チャンミンの頬に落ちていきます。
「…ユノ…」
「愛している…チャンミンだけを……だから…」
チャンミンは優しげな微笑みをうかべると、目を閉じて動かなくなりました。
「…いや…チャンミン…いやだ…」
ユノはチャンミンの身体をぎゅっと強く抱きしめました。
「……一人にしないで……」
夜明けの光が二人の上に降り注ぐと、そのまま二人は風の中に溶けてしまうように消えていきました。
 
それから、この国では時折、風の中に二人の笑い声が響くようになりました。
とても楽しそうな歌と、聞いているだけで微笑みたくなるような幸せな笑い声が…

 

終わり
 
  ※北欧系の人魚姫の映画を初めて見た時は、結構衝撃でしたね~足と引き換えにするのは声じゃなくて髪の色だったし…人魚姫には「空気の娘になる」って説があるんですが「空気」はちょっとな~と思って「風」にしました。ラストをどうしようか最後まで迷いました;本当は人魚姫だけが空気の娘になるのですけどね…悲しいな~と思ってちょっと変えました;
こんな駄文を読んで下さった方、ありがとうございました。
 

 




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