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東方神起茶屋

東方神起(二人)に対する歪んだ愛と腐女子のオタク心を片隅で叫ぶブログ 同時に平和について真剣に訴えていきます。歴史修正主義、差別主義、絶対NO! 
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※ユノが人魚姫だったら…という設定の妄想小説です。苦手な方は読まないで下さい。

人魚姫(別バージョン) 3

「もう、そろそろ人間の生活にも慣れてきたな~」
ある朝、ユノがつぶやきました。
ユノはあっという間に近所の人気者になって、いつも大勢に人達に囲まれるようになりました。
「ねえ、チャンミン、どう?僕も普通の人間に見えるようになってきた?」
「…ん…まあまあ、かな…」
「そうなの?どういうところがまだダメ?」
…そんなふうに、まったく人を疑わないところだよ
とチャンミンは心の中でつぶやきました。
「それより、支度は出来たかい?ジョージの結婚式に間に合わないよ」
「あ、そうだった。贈り物の他に花束も持っていかないと」
ユノは急いで二階に取りに行きました。
今日は、向いのパン屋の息子のジョージの結婚式なのです。
二人は結婚式に招待されていましたが、ユノは式で踊りを披露するよう頼まれています。
ユノは踊りがとても上手なのです。
初めはダンスというものを知りませんでしたが、お祭りの日に皆が喜びのままに身体を動かして踊っているのを見て、ユノも踊り始めたのです。
その踊りはまるで足が地についていないような、飛んでいるかのような素晴らしいもので、いつしか人々はユノの踊りにみとれていました。
ユノも踊る事が大好きになり、いつも踊るようになりました。皆はそんなユノの踊りに拍手と喝采を送りました。
ユノの踊りは純粋な美しさをもっていて、彼の笑顔と同じで観ていると幸せな気持ちになれるからです。
今日も、結婚式でぜひ踊って欲しい、とジョージに頼まれたのです。
本当は歌も上手なのですが、やはり、チャンミンと二人きりの時しか声はでませんでした。
傍に誰かがいてもダメなのです。
だから、二人は時々夜中の誰もいない砂浜に出向いて、いっしょに踊りながら歌いました。
思いきり笑いながら踊って歌って過ごす二人だけの時間。チャンミンにとってはユノを独り占めできる至福の時間でした。
「チャンミン~取ってきたよ~」
「じゃあ、急ごう。もう出るよ」
「うん、いいよ」
白いブラウスを着て、ピンクの花束を持つユノはとても可愛らしくて、チャンミンは
どっちが花嫁か分からなくなりそうだ…
と、思いました。
 
結婚式が無事に終わり、ジョージの家で祝宴が開かれました。
招待客達はそこで楽しく食事をして騒いで、夜中になる頃にようやく花嫁と花婿に祝福と別れの挨拶をして帰っていく者がでてきました。
チャンミンとユノもそろそろ帰ろうかと、花嫁と花婿に別れの挨拶をしに行きました。
「今日は来てくれてありがとう、チャンミン、ユノ」
「こちらこそ、ご招待ありがとうございます。これから二人で幸せになって下さい」
「ユノも素敵な踊りをありがとうね」
ユノはにっこり笑って花嫁と抱き合いました。
「…ふふ…次に結婚するのはユノかもしれないわね。ブーケを受け取ったから」
女の人が取るものだと知らなかったユノは、ブーケを受け取ってしまったのです。
ユノは真っ赤になって照れました。
「いや、次に結婚するなら王子様じゃないか?隣国の王女との結婚話が持ち上がっているって噂だぜ」
『しまった!』
チャンミンはユノを振り返りましたが、ジョージの話を聞いたユノは呆然と立ち尽くしていました。顔色が真っ青です。
「お祝いのお酒を飲みすぎて気分が悪くなったみたいだ。すぐに家に帰るよ」
「大丈夫かい?気を付けてな」
ユノの手を引っ張って、チャンミンは大急ぎでその場を離れました。
家に帰りつくまでユノは呆然としていて、チャンミンが引っ張っていないと倒れてしまいそうでした。
家に帰るとユノはふらふらと寝室に入り、ベッドに腰掛けました。両手で顔を覆い隠して、まるで泣いているように見えます。
チャンミンはユノの後ろ姿を見つめながら、心の中でつぶやきました…
…ユノ…僕ではだめか…?
…僕は初めて会った時から、ずっとユノの事が…
自分の気持ちをはっきりと自覚したチャンミンは、ユノに告白しようと彼の隣に腰掛けました。心臓がバクバク鳴りだし、手が震えてしまいます。
「…ユノ…聞いて欲しい事が…」
「…僕…海の泡になるかも……」
「え?今、何て?」
「…王子様が…結婚する前に…僕に愛しているって言ってくれないと…僕は海の泡になってしまう…」
チャンミンは頭を鈍器で殴られたかのような衝撃を感じました。
…今…ユノはなんて言った…
「……ど…どうして……」
「…魔女がそう言ってた…薬は呪いと同じだから…王子様の心からの愛の言葉がないと解けないって…」
「…そんな…他に解く方法はないのか…他の人の愛ではダメなのか!」
思わずチャンミンはユノの肩を掴んでいました。
ユノはちょっと驚きましたが、静かに首を横に振ります。
「…そんな……」
海の泡になってしまう…ユノが…そんな事って……
チャンミンは足元の地面が崩れてしまうような錯覚を感じました。湧き上がってくる恐怖心から逃れようと、無意識にチャンミンは外に走りだしていました。
 
気が付くとチャンミンは砂浜を走っていました。
二人でいつも楽しい時間を過ごす砂浜は、今は暗くて冷たいものにしか見えません。
真っ暗な海を見つめ、チャンミンは大声で叫びます。
「おい、魔女!どこにいる!ユノを助ける方法を教えろ!」
暗闇に覆われた海は規則正しい波音を伝えるだけです。
「教えろ!どうすればユノを助けられるんだ!」
助けることは出来ない
地獄から響いてくるような声がチャンミンの耳元で囁きました。
「…嘘だ…何か方法がある筈だ…教えろ!俺の持っているものをなんでもくれてやる!」
海の泡にならずにすむ方法ならある
「…それはなんだ……」
海の泡になってしまう前に、誰かが永遠の愛を与えたなら、風になって永遠に生きられるだろう
声はそれきり、聞こえなくなりました。
チャンミンは砂浜に座り込み、ずっと考え続けました。
明けていく空を見ながら、チャンミンは決意しました。
ユノと王子を会わせる事を…
 


(次回に続く)




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