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東方神起茶屋

東方神起(二人)に対する歪んだ愛と腐女子のオタク心を片隅で叫ぶブログ 同時に平和について真剣に訴えていきます。歴史修正主義、差別主義、絶対NO! 
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※萩尾先生の某漫画が元になった妄想小説です。
嫌な方は読まないようにお願いします。
完全自己責任でお願いします。




プロローグ 1 2 3 4 5

思い出の棘6(最終話)

「あの…ヒョン…僕は…その……」
チャンミンは自分の気持ちを伝えようとしたが、なんと言っていいか分からず戸惑ってしまう。
「…うん…なに?」
「ヒョ…ユノヒョンが…好きなんです…」
告白した途端、チャンミンは顔から火が出ているのではないか、と思う程頬が熱くなった。
「僕も好きだよ」
ユノが優しく微笑みながら言葉を返す。
しかし、それはチャンミンの言っている意味と違うものだった。
「…違うんです…僕は……愛してるんです……」
「…え?…」
ユノは少し驚いたような、何を言われたのか分からないような表情を浮かべる。
その表情があまりに無防備で、可愛くて、チャンミンは無意識のうちにユノの唇にキスをしていた。
柔らかい唇の感触が伝わってきて、チャンミンの胸はユノへの愛しい気持ちでいっぱいになる。
「…チャン…ミン…」
ユノの言葉に我に返ったチャンミンは弾かれたように飛びのいた。
先ほどと違ってユノは驚いた表情を浮かべている。
(俺は…い、今…何した…?)
自分の大胆さに自分で驚いたチャンミンは、顔だけでなく、全身が火を噴いたかのごとく熱くなった。
「…ご、ごめん…なさい…」
やっとそれだけを言うとチャンミンは急いで部屋を飛び出したのだった。

自室に戻ったチャンミンは恐ろしいほど落ち込んだ。
自分の失態に呪いたくなる。
(いきなり…キスするなんて…何やってんだ俺は~!)
でも、本当にあの時…我慢できなかったのだ。
ユノへの愛しい気持ちが溢れ出て、押さえられなかった。
(…き…嫌われたかも…)
ず~んと重い雲がチャンミンの心に立ち込める。
その時、部屋をノックする音が響いて、返事をするのをためらっていたが、勝手にドアが開いた。
「なんだ、居たのかチャンミン、ちょっといいか?」
入ってきたのは歌のトレーナーだった。
「…はい…なんですか?」
「明日…幹部の方々の前で歌を披露してもらいたいんだ」
「…え…?」
「ユノと組んで新しい東方神起としてやっていく技量があることを見せる為だ。いいか?」
「…で、でも…ユノヒョンは…」
「さっき、ユノと話したけど、チャンミンがいっしょにやってくれるのなら、ありがたいと思っているって言ってたよ」
「ほ、本当ですか!?」
「本当だよ。俺もチャンミンとユノだったら上手くやっていけると思うんだ。性格は正反対かもしれないけど、一番大切なとこは似ているから。でも、ユノが言っていたように厳しいと思うよ。それでもいいか?」
「はい」
チャンミンは晴れ晴れした気持ちではっきり言い切った。
ユノが自分を認めてくれた事が純粋に嬉しい。
明日は全身全霊で歌おう、と思った。

そして、次の日。
幹部の人達がずらりと並ぶ中練習所でチャンミンは歌った。
たくさんの稽古やライブを経験してきた、チャンミンは歌は思いを込めるものだと思っていた。
音程を外さない、とかメロディーを美しく保つとか、それだけでなく感情を表現しなければ、それはただの音符になってしまう。
ただの音符でいいならコンピューターの方が正確だ。でも、それでは人々は感動しない。
思いは必ず聞いている人に伝わる。
それが一番大切なんだ、とチャンミンは思っている。
幹部の人達が大勢いるのに、緊張しないのがチャンミンは自分でも不思議だった。
歌いながら、チャンミンはユノとの思い出の数々を思い出していた。
初めて会った時。あの時もらったルビーのピアスは今でも大切に持っている。
祖母が亡くなって泣いた時もユノは側にいてくれて…
いつも、いつも、辛い時にユノは来てくれた。
あの時からユノは全く変わらない。
優しくて…綺麗で…純粋な心をもっていて…
どうしてユノは自分を知っていたのだろう…?
今度話す時に聞いてみよう…

チャンミンが歌い終わると一斉に拍手がわき上がった。
「とても良かったよ」
「いつの間にこんなに上手くなったの?」
「いや~びっくりしたよ」
次々に賞賛の言葉をかけられる。
これで、新しい東方神起のメンバーはチャンミンで決まりだな、という空気になった。
チャンミンはまだ現実感が感じられずにいたが、壁際に立っていたユノの姿が目に入り、ドキリとした。
ユノの美しい瞳から涙が一筋零れていたからだ。
「ユノ?どうした?」
隣に立っていたマネージャーが驚いて尋ねる。
「…あ…感動して…」
「しまった、もうこんな時間!ユノ、早く行こう。飛行機に乗り遅れてしまう」
マネージャーに手を引かれながら、ユノはチャンミンに優しく微笑んで部屋を出て行った。
それを見たチャンミンは幸せで天にも上りそうな気持になる。
(これから、ユノといっしょに頑張っていけるんだ…)
自分はまだ未熟だから、ユノに支えられる事も多いだろう。
けれど、同じように自分がユノを支えられる時もある筈だ。
いや、きっと支えてみせる。
誰かに傍にいて欲しいとユノが思った時は、自分が傍にいてあげられるような…
チャンミンはとても誇らしい気持ちになって、とても幸せだった。
しかし、その幸せは長く続かなかった…
数時間後、ユノが乗った飛行機が事故を起こし、海上に墜落して多数の死傷者が出たというニュースが飛び込んできたからである。

ニュースを聞いてから、チャンミンは自分がどうやって生活していたのか分からなかった。
周りの人達はパニックを起こしていたが、それさえも遠くの出来事のように思えた。
自分を取り巻くすべてが色を失ってしまったようで、まるでモノクロ映画の中にでも迷い込んだようだ。
ユノが見つかったと報告があった時だけ、現実感が戻ってきた。
飛行機が墜落した海域は極寒の地域で、ユノは寒さの為に仮死状態になった重体だという。
代表とマネージャーとチャンミンは運ばれた病院に駆け付けた。
集中治療室に入っていたので面会は出来なかった。
ユノが持っていた品物を渡され、マネージャーが確かめていると、何かが床に転げ落ちる。
チャンミンがそれを拾い上げると、それはルビーのピアスだった。
チャンミンが初めてユノに会った時に渡された片方のピアス…
ルビーの紅がチャンミンを覆っていたモノクロの世界を吹き飛ばした。
(初めて会ったあの時、ユノはなんと言っていた…?)

…片方は飛行機に落としてきてしまったんだ…
…僕はチャンミンを知っている…知らない人じゃないよ…

(ユノが初めて歌手だと知った時は…)

…チャンミン…愛してるよ…
それを言い忘れたくなかったんだ…
…もっとチャンミンと話したかった…もっといっしょにいたかった…いっしょに歌って、いっしょにステージに立って…同じ景色をみて、同じ思いを感じて…もっといっしょに…

「う!」
チャンミンは強烈な胸の痛みを覚えてしゃがみ込んだ。
「どうしたチャンミン」
マネージャーが心配して覗き込んでくるが、チャンミンは答えられなかった。
…ユノは…時を超えて…自分に会いに来てくれたんだ…
……言い忘れたくなかったから…
…ユノの思いが…過去の自分に、何度も、何度も会いにきてくれた…
これまでのユノとの思い出が、棘のようにチャンミンの心に突き刺さる。
思い出がこんなにも苦しみと共に思い出す時がくるなんて…
あまり痛い胸の痛みに、チャンミンは涙を零していた。
(…痛い…痛いよ…ユノ……)
そして、そのまま気を失ってしまった。

気が付いた時は病院のベッドの上で、マネージャーが横の椅子で居眠りしていた。
チャンミンはそっと起き上がり、ユノがいる集中治療室に向かった。
ガラス越しにユノが眠っている姿が見える。
(今、いつの時の自分に会っているのだろう…)
…きっとユノは目を覚ます…
チャンミンは確信していた。
(このまま、僕たちは終わらないよね……)
ユノが言ったように、僕たちはもっと話して、もっといっしょにいて、いっしょにステージに上がるのだ。
たくさんの思い出をこれから二人でつくっていくに違いないのだから…
(…だからユノ…待っているからね…)
あなたが目を覚ます、その時まで…
チャンミンは優しさに溢れた強い気持ちで、いつまでもユノを見つめ続けていた。

fin


※元ネタは萩原先生の「マリーン」です。
真相の分かるシーンは本当にびっくりしました。
せつなかったな~





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