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東方神起茶屋

東方神起(二人)に対する歪んだ愛と腐女子のオタク心を片隅で叫ぶブログ 同時に平和について真剣に訴えていきます。歴史修正主義、差別主義、絶対NO! 
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※萩尾先生の某漫画が元になった妄想小説です。
嫌な方は読まないようにお願いします。
完全自己責任でお願いします。




思い出の棘 ~プロローグ~

チャンミンが初めてユノに会ったのは十歳の時だった。
祖母の薬をもらいに病院に行く途中、薬代を落として困っていた時である。
「チャンミン?どうした?」
名前を呼ぶ声に振り返ると、二十歳過ぎぐらいの綺麗な男の人が立っていた。
優しい瞳で自分を見つめ、少し寂しげな笑みを浮かべている。
それがユノだった。
そんなに綺麗な男の人を見たのは初めてだったので、チャンミンはしばらく見とれていた。
「どうしたんだい?何か困っている?」
「…あ、おばあちゃんの薬代を落としてしまって…」
「そうか…これはお金に替えられないかな?」
そういって、ユノは自分のつけていたピアスをはずしてチャンミンの手のひらに乗せた。
「本物のルビーだから、少しはお金の代わりになると思うよ」
チャンミンは驚いて返そうとした。
「知らない人から、こんな高価なものは受け取れません」
「…僕はチャンミンを知っている…知らない人じゃないよ…」
「え…?」
「ユノだよ…チャンミン…」
どこかで会っただろうか?学校関係の人?それとも遠い親戚…?
チャンミンは記憶をたどったが、思い当らない。
「…でも…」
「片方しかないから気にしなくていい。もう、つけれないから…」
「片方しかない?」
「…片方は飛行機に落としてきてしまったんだ…」
「でも…駄目です…受け取れません」
「いいから…持っていって…」
ユノはどこか寂しげな瞳をしている。何故だかチャンミンはそれがたまらく苦しかった。
「さ、早く行きなさい…」
「…う、うん…」
チャンミンは何度も振り返りながら、病院への道を駆けていった。

けれど、チャンミンはユノからもらったピアスを使わなかった。
彼にもらったものを手放したくなかったのである。
ユノに会った証を残しておきたかった。
持っていたかった。
病院はその時の薬代を貸しにしてくれて、後で警察に財布が届けられたので、お金は戻ってきた。
チャンミンはユノにまた会いたかった…

そして、それは一年後に実現した。
祖母が亡くなった時である。
誰にも泣き顔をみられたくなくて、近くの森で一人で泣こうと思った。
でも、森の中で一人になっても涙は出てこなかった。
その時、ユノが来てくれた。
「チャンミン…どうしたの?」
ユノは一年前と少しも変わらず、綺麗で寂しげな瞳をしていて…
ユノの顔を見た時、チャンミンは無理して押さえていた感情があふれ出て、思いっきり泣きだしてしまった。
泣きだすチャンミンをユノは優しく抱きしめてくれて…
チャンミンは安心してユノの胸の中で思いっきり泣いた。
ユノの胸の中は暖かくて…良い香りがして、とても安らぎを感じたのだった…

それから、時々、ユノはチャンミンの前に現れるようになったのである。
学校を卒業した時、入学した時、友達と喧嘩してイライラしていた時、両親との行き違いで苦しかった時…
いつもユノは来てくれて側に寄り添ってくれた…
町の歌自慢大会で優勝した時も同じように。
「ユノヒョン、見て!歌自慢大会に優勝したんだよ!」
「…チャンミンは歌が上手いから…」
「そんな事ないよ。まあ、ちょっと得意だけどね~」
へへっとチャンミンは得意げに話した。
「…チャンミンは歌手になるよ…」
「…え…?」
「…本当だよ…」
ユノはいつも淋しそうな瞳で自分を見つめている…
ユノに会うと、チャンミンはとても嬉しくて、楽しくて…でも、せつなくて胸がドキドキするのだ。
同時にいつも同じ疑問が頭に浮かぶ。
…ユノはどうして僕の事を知っているの?
どうして、僕が寂しい時、辛い時に来てくれるの?
チャンミンは聞こう、と思うのだが、怖くて聞けなかった。
聞いてしまったら…ユノは二度と来てくれないような気がして…

ユノと初めて会ってから、五年の年月がたった頃…
チャンミンはテレビ画面を見て愕然とした。
そこにユノが写っていたからである。
東方神起という四人組のヴォーカルグループのリーダーとして何か表彰されているところだった。
驚いたチャンミンの頭には詳しい内容は入ってこなかった。
だが、テレビ画面の中にユノはカッコよくダンスを踊り、抜群の歌唱力で歌い、キラキラ輝いていた。
『…すごい…』
チャンミンはそこにいるユノにも同じようにドキドキしていた。

「ヒョン!」
チャンミンは家の近くに立っていたユノを見つけて側に駆け出した。
「ヒョン!歌手だったんだね。どうして黙っていたの?すごくカッコ良かったよ!」
ユノは途端に悲しそうな表情を浮かべた。
「…ユノヒョン…どうしたの?」
何か悪い事でも言っただろうか?
チャンミンの胸に不吉な影がよぎる…
「…もう…行かないと…」
ユノの言葉にチャンミンは不安を覚える。
「…な、なんで…ヒョン…また会えるよね…」
「…チャンミン…さよなら…」
淋しげなユノの言葉にチャンミンは思わずユノの手を掴んだ。
「どうして?どこに行くの?どうしてここに来たの?僕に会いにきたんじゃないの?」
…どうして?どうして?僕は何か悪い事した?
ユノが歌手だって知っちゃいけなかったの?どうして?
チャンミンの頭の中がぐちゃぐちゃになった。
「…チャンミン…」
ユノの綺麗な瞳から涙がこぼれ落ちて、チャンミンは心臓が飛び出すぐらい驚いた。
ユノがチャンミンを優しく抱きしめる。
「…チャンミン…愛してるよ…」
チャンミンの頭の中が真っ白になる。
「それを言い忘れたくなかったんだ…」
「…ヒョ…ヒョン…?」
「…もっとチャンミンと話したかった…もっといっしょにいたかった…いっしょに歌って、いっしょにステージに立って…同じ景色をみて、同じ思いを感じて…もっといっしょに…」
抱きしめる力が強くなってチャンミンは思わず目を閉じる。
ユノの寂しそうな言葉を聞いていると、胸が苦しくなる…
気が付くと、ユノは姿を消していた。
チャンミンは訳が分からず、呆然と立ち尽くしていた…
…もう…ユノに会えないのか…?
そんな予感がしてチャンミンは絶望的な気分になる。
フラフラしながら家に帰ると、母親が一枚の紙切れを見せつけた。
「チャンミン見て~SM事務所のオーディションだって。受けてみない?」
「…え?…」
「チャンミン歌自慢大会で優勝したじゃない?いい線までいくかもよ~オーディション会場でBoAとか東方神起に会えるかもしれないし~」
「え!」
東方神起!
チャンミンは母親の持っていた紙切れをひったくった。
「どう、チャンミン?受ける気ある?」
東方神起…ユノがいるグループだ…SMが所属事務所なのか…
SM事務所に入れば…ユノに会える…!
チャンミンはオーディションを受けることを決めた。


つづく


※萩尾先生の某漫画が元になってます~;
ご存知の方は申し訳ありません~;
タイトルでなんとなく分かるかと思いますがアンハッピーエンドです;






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