※萩尾先生の某漫画が元になった妄想小説です。
嫌な方は読まないようにお願いします。
完全自己責任でお願いします。
プロローグ 1思い出の棘 2思い出の棘 2
「チャンミン、ここに居たのか?夕飯の時間だぞ」
「…………………」
練習生の宿舎の裏にある、小さな茂みの中にチャンミンは座りこんでいた。
キュヒョンが見つけて話かけてくるが、チャンミンは後姿のまま無言だった。
「チャンミン…ユノ先輩が言った事。気にするなよ」
「…………………」
「すごく真面目で厳しいだけだよ。悪い意味で言ったんじゃないし…」
「…………………」
「…最近、止めていく練習生が多かっただろ?それでだと思うよ…」
「…………………」
「早く、来いよ…」
キュヒョンの立ち去っていく足音が聞こえる。
チャンミンも自分がとても子供っぽいむくれ方をしている自覚はあった。だが、気持ちは抑えられない。
(どうして…ユノはまるで初めて会った人みたいな態度で…知らない顔をして…厳し顔をして…なんだよ…!もうユノなんか知らない!)
心の中は怒りと悲しみがごっちゃになって何がなんだか分からなかった。
その時、お腹のムシが盛大な音をたてて鳴る。
(…お腹すいたな…)
育ち盛りの腹のムシは正直なのである。
夕食を食いぱぐれてはたまらない、とチャンミンはシブシブ立ち上がり、食堂に向かった。
途中で稽古場を横切った時、明かりがついているのに気づく。
誰だろ?
気になって、覗いてみると、チャンミンと同じ練習生が何人も練習していた。
夕食の後は各自の自由時間になっている。居間でテレビを見ようが部屋でゲームをしようが自由だ。
それなのに、みんなはダンスの練習をしている…
(みんな…本気で歌手になりたくて…頑張ってるんだ…)
自分はみんなのような真剣さがあるだろうか…?
ここ数か月は新しい環境に慣れる事で必死だったけど、本気で歌手になりたくてオーディションを受けて勝ち上がってきた皆と自分は気持ちのモチベーションがどこか違っている。
(今日のユノが見ていた時も、僕はユノにばかり気をとられ、真剣にダンスを踊っていただろうか?)
他の真剣に練習をして自分を磨こうと頑張っている仲間に対して、チャンミンは自分がとても失礼な事をしているような気がした。
(ユノはそれで怒ったんだろうか…?)
他の練習生達と同じに扱い、特別扱いしないという意味だったのだろうか…?
(…今の僕は…とても中途半端だ…)
…恥ずかしい……
チャンミンは自分もこの事務所に入った以上、他の練習生に恥ずかしくないよう、真剣に取り組んでいこうと決意した。
そして、ユノに認めてもらいたい……
~グー~(お腹のムシ)
「その前に腹ごしらえしなきゃ」
チャンミンは晴れ晴れとした気持ちで食堂に向かった。
それからのチャンミンは気持ちが吹っ切れて、積極的に練習に取り組み、他の練習生達と自主練を欠かさず行うようになり、メキメキ実力を付けていった。
東方神起の情報もずっと欠かさずチェック。
スケジュールはとても過密で、世界中にファンがいる為、海外ライブも多数行っている。
同じ事務所だから外部は知らない情報も入ってくる。
でも、ユノが素敵な人だと分かる話ばかりで、幻滅するような情報はまったくなかった。
だからこそ、ユノは後輩達から憧れられる先輩だった。
(本当にユノはトップスターなんだな…)
チャンミンはユノに会って話すなんて、ましてや認めてもらうなんて、月に行くぐらい難しいような気がしてきた。
そんなこんなで、二年が過ぎた頃…
初めてチャンミンが人前で歌って踊る初舞台の時がやってきた。
歌自慢大会の時とはくらべものにならないくらい緊張する…
足が震えながら、チャンミンは初舞台を乗り切った。
お辞儀をしてお客様の顔を初めて見ると…
100人ぐらいのお客様が笑顔で自分達に拍手を送ってくれている…
(僕の歌や踊りはまだまだ未熟で…そんな…大したことないのに…)
皆、笑顔で暖かい拍手を送ってくれている…
…自分がもっと頑張れば、もっと大勢の人を笑顔にできるのではないだろうか…
チャンミンはとても嬉しくて、これまで以上にもっと練習に励んだのだった。
そして、そんなチャンミンの元に…
「今度の東方神起のツアーでバックダンサーを練習生から選ぶらしい」
という噂が飛び込んできたのである。
つづく
宿舎生活とか事務所の話とか想像で適当に書いてます
すみません;
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