※ユノとチャンミンが探偵やっている、という妄想小説です。
苦手の方は読まないで下さい。こちら東方探偵社 2「怪盗だって、すごいねチャンミン。お父さんの時もこんなすごい依頼なかったよ!」
興奮したユノがチャンミンの肩をバシバシ叩く。痛い…
「ヒョン…落ち着いて下さいよ~怪盗なんて映画や小説じゃあるまいし、ありえませんよ」
「でも、実際に依頼が来たじゃん?」
「だから~いたずらや嫌がらせの類か、何か裏があるかのどちらかですよ」
「裏って?」
「…エリカ…依頼してきたのは女性?」
ユノの疑問はまたしてもスルー。
ストーカー対策依頼と同じ種類の「虚言」ではないだろうか?
「いいえ、依頼してきたのは初老の弁護士さんです。名前はスン氏」
「弁護士?」
「明日、そのスン弁護士さんの事務所で詳しい話を聞く事になってます。お二人で行ってきて下さい」
「分かりました~楽しみだな~」
「………………」
嬉しがるユノの横でチャンミンは不信感を拭えなかった。
翌日、ユノとチャンミンが依頼主であるスン弁護士の事務所を訪れると、雰囲気の良い初老の男性が向かえてくれた。
二人はソファに座り、詳しい話を聞くことにした。
怪盗から「ダイヤのネックレスを頂く」と予告状が届いたのは、スン弁護士の雇い主であるフォン氏の家である。
フォン氏といえば大企業の経営者で、経済誌などにもインタビュー記事が載る有名人だった。
今はフォン氏はアメリカに出張中で、スン弁護士に対処を頼んできたのだ。
「家の方は他に誰が?」
「奥様は数年前に亡くなられまして…一人息子のカイエ君とフォン氏の妹であるスウさん。後は使用人だけです」
「警察には届けましたか?」
「いえ、フォン氏がそれはするな、と…」
「何故です?いたずらかと思っているのですか?」
「いえ…フォン氏は妹のスウさんの仕業ではないか、と疑っているのです」
「妹さんを?何故です?」
「狙われたダイヤのネックレスはフォン氏の母親の形見なのです。今度スウさんは結婚する事になっていて。そのダイヤのネックレスは自分の物だから持っていくと言い出したのです」
ユノとチャンミンは無言で顔を合わせた。なんだか複雑な事情になってきた…
「お母さんの形見なら、その言い分も分かるのでは…?」
「元はフォン氏の奥様が譲り受けたのです。だからフォン氏は息子のものだと主張して譲りません」
「そこで、今回の怪盗予告が起こった…」
「はい。だから妹さんがダイヤのネックレスを手に入れる為の芝居ではないか、と」
「警察に届けないのは世間体を恐れて、ですか?」
「そういう事です」
「何か対策はとられているのですか?」
「保管している金庫に見張りをつけるぐらいしか思い浮かびません。そこで何かお知恵を拝借したいのです」
ユノとチャンミンはまた顔を合わせた。
「とりあえず家の見とり図が欲しいです。後は金庫の居場所とか」
「これから家に行ってみませんか?」
「よろしいのですか?」
「はい、みんなに話はしてありますので」
ユノとチャンミンはフォン家の豪邸に足を踏み入れる事になった。
つづく
※これもなかなか話が進まなかったりして…;
PR